市政報告

【恵那市議会】市政報告 第18回 令和7年4月発行

 自然災害は、私たちの生活や社会に多大な影響を及ぼす脅威となっています。能登半島では地震と豪雨災害が相次ぎ、さらに東日本大震災から14年を迎えた中で追い打ちをかけるような山林火災、市内では3月に降雪による停電等の被害が発生しました。被災された方々やその家族、地域の皆様が少しでも早く平穏を取り戻し、地域全体が再び希望と共に歩み出せる日が訪れることを心よりお祈り申し上げます。

 3月の積雪により被害 を受けた「新田の桜」 

 今回の市政報告は、令和7年第1回定例会が2月25日に招集され、条例関係14件と予算関係19件、人事案件2件、その他2件、議会提案2件が承認、可決され、3月21日に閉会しました内容などを報告させていただきます。

令和7年 第1回 恵那市議会・定例会 会期:2月25日~3月21日

条例関係…制定2件、改正12件

刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定

懲役及び禁固を新たな自由刑(拘禁刑)として単一化することを目的とした法律施行により6つの条例を改正

恵那市工場立地法に基づく準則を定める条例の制定

工場における敷地面積に対する緑地面積及び環境施設面積の割合などの要件を緩和することを定める条例

恵那市職員の育児休業等に関する条例の一部改正 

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正により、条ずれを改正 

恵那市国民健康保険条例の一部改正 

国民健康保険法施行令の一部改正により、保険料の賦課限度額と軽減判定基準額を改める改正 

恵那市病院事業の設置等に関する条例の一部改正 

1か月児に対する健康診査の内容が追加されたことにより、利用料の上限を引き上げる改正 

恵那市串原温泉施設条例の一部改正 

恵那市上矢作自然交流施設(モンゴル村、コテージかわ せみ、越沢コテージ)条例の一部改正 

恵那市根の上高原国民休養地条例の一部改正 

上記3つの改正条例は、燃料価格等の高騰により施設の利用料金の上限を見直す改正 

恵那市都市公園条例の一部改正 

新たに整備した地域公園を追加し、市立公園を一体的に管理するために改める改正 

恵那市移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例の一部改正 

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の一部改正により、バリアフリー基準を見直す改正 

恵那市水道の布設工事監督者の配置及び資格並びに水道技術管理者の資格に関する条例の一部改正 

水道法施行令及び水道法施行規則の一部改正により、布設工事監督者等の資格に係る規定を改める改正 

恵那市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正 

恵那市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正 

上記2つの改正条例は、子ども・子育て支援法施行規則等の改正により、保育内容支援等の基準を見直す改正 

恵那市基金条例の一部改正 

恵那市エーナアスリート応戦事業の実施による新たな基金を創設する改正

予算関係 …19件(補正予算9件、当初予算10件)

令和6年度補正予算(専決)…1億3,139万4千円 

■令和6年度恵那市一般会計(第10号)
物価高騰の影響を受けている低所得者世帯の支援として、住民税非課税世帯に1世帯当たり3万円と同世帯のうち18歳以下の児童を養育している世帯に児童一人当たり2万円の加算給付が計上されている。

令和6年度補正予算…1億73万6千円

■令和6年度恵那市一般会計(第11号)
■国民健康保険特別会計(第4号)
■介護保険事業特別会計(第4号)
■遠山財産区特別会計(第2号)
■後期高齢者医療特別会計(第3号)
■水道事業会計(第3号)
■下水道事業会計(第3号)
■国民健康保険診療所事業会計(第4号)補正予算

防災・減災に必要な資機材等の整備や恵那市学校給食センター天井修理、自立支援給付費などの事業費の精算、基金積立などが計上されている。

 令和7年度当初予算…531億310万円(前年度比3.6%) 

■令和7年度恵那市一般会計(315億5千万円)
■国民健康保険特別会計(51億3,240万円)
■介護保険事業特別会計(63億5,010万円)
■遠山財産区特別会計(30万円)
■上財産区特別会計 (100万円)
■後期高齢者医療特別会計(9億4,410万円)
■水道事業会計(26億5,900万円)
■下水道事業会計(33億1,750万円)
■病院事業会計(25億4,540万円)
■国民健康保険診療所事業会計(6億330万円)予算 

令和7年度市政運営の基本政策は、昨年度に引き続き子育て支援施策のほか、恵那南中学校の開校と佐藤一斎學びのひろば(旧岩村振興事務所)の整備を重点に置いた施策を実施することになっている。予算編成方針は、自然災害への備えを充実させるとともに、子育て環境の充実やインフラの整備など、市民の誰もが住み慣れた地域で、年齢や性別にかかわりなく元気に働き続け、安心して住み続けることができる街を目指した予算編成となっている。 

 人事案件 …2件 

恵那市副市長の選任…新任 

柘 植 克 久 氏(笠置町) 

恵那市教育長の任命…再任 

岡 田 庄 二 氏(可児市) 

その他 …2件 

協定の締結 

・瑞浪恵那道路と恵那市道との交差(取付)にかかる新設工事 の施行に関する国土交通省中部地方整備局との協定

市道路線の認定 

・瑞浪恵那道路取付道路及び瑞浪恵那道路交差道路(29路線) 

議会提案 …2件

恵那市議会個人情報条例の一部改正 

法律の一部改正による項ずれと刑法等の改正により、「懲役」を「拘禁刑」に改正 

恵那市議会会議規則の一部改正 

会議における市長等のパーソナルコンピュータ等の使用を可能とするための改正 

一般質問…(抜粋)

『今回は、中山間地域の里山を守る農業と林業を通じた多角的な取組みについて、質問をさせていただきました』 

里山を守る「農業」について 

 高齢化や人口減少などの影響もあり、農業者の減少や耕作放棄地が拡大して、地域の農地が適切に利用されなくなることが懸念されている。農業経営基盤強化促進法が改正され、各地域で目指すべき将来の農業のあり方、将来の農地の効率的かつ総合的な利用に関する目標などを定めた「地域計画」と「目標地図」を令和6年度末までに策定し公表することが求められている中、これらを踏まえた農業政策について質問をした。


質問:農業(農業者、農業経営体、耕作放棄地、農地取得の緩和など)の現状は? 

答弁:農林部長
農地総面積は3,290ha、耕作地面積は10年間で563ha減少。農業者数は1,421戸、10年間で1,007戸減少。農業従事者の平均年齢は69歳で、10年間で3歳上昇(全国平均67歳)。個人農家は兼業農家が大半を占めており、今後も個人農家の減少傾向は続くと考えている。 

市内の農業経営体組織は44組織、10年間で2組織減少。今後は、組織の後継者育成の取組みと営農組織を中心とした農地の集約化による大規模化と合わせ、営農組織がない地域へ組織化の促進を図ることが喫緊の課題である。 

耕作放棄地面積は、令和5年度で448ha。耕作放棄地解消の農地再生支援で11.8haが再生でき、農地バンクを活用し農地集積に取組み454haの農地を担い手につなぐことが出来た。 

農地法の一部改正により令和5年4月1日から面積要件が廃止された以降の農地取得は、89件で、4.0ha、うち移住者は19件(県内4件、県外15件)で人数は46人」  


質問:今後の農業政策(地域計画の進捗、特色、推進施策、地域支援など)は? 

答弁:農林部長
令和5年4月1日に農業経営基盤強化促進法が改正され、将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の策定が全国で義務付けられた。 

地域計画は、地域での話し合いにより目指すべき将来の農地利用の姿を明確化し、地域内外から農地の受け手を幅広く確保し、農地バンクを利用した農地の集約化等を推進するもので、10年後の農地利用について、農地の集積方法や地域で振興していく農作物、販路、獣害対策について具体的な協議をし、市内13の区域ごとに特性が異なり、上矢作町では、夏秋トマトや促成イチゴの振興による新規就農希望者の受入強化と道の駅ラ・フォーレ福寿の里での販売強化による安定した所得の確保を進め、鳥獣害対策にも力を入れていくとされており、地域で計画の進捗を管理し、常に見直しながら地域の農家が主体となって農業振興に取り組んでいただきたいと考えている。 

農地は多面的機能を有し、その機能を発揮するためには適切に管理していくことが重要で、全国では、草刈り作業や環境美化作業など共同活動に企業や大学生、地域の小学校など非農家に参加してもらうなど、多様な人材や組織に協力してもらいながら活動している地域がある。 

学校給食では、市内で栽培されたコメのほか、玉ねぎやキャベツなどが提供されているが、コメ以外の供給量はまだまだ足りていない状況。地域計画を通じて、市全体で地消地産の機運が高まっていくことを望んでいる。


里山を守る「林業」について 

 里山は、自然環境と人間の生活が調和する地域で、その維持と保護は非常に重要だが、林業に従事する人は激減し、地域の環境保全や産業振興の観点から深刻な課題となっており、外国人による森林購入も一部で問題視されている。森林の荒廃が進行し、全国各地で既に発生している山地崩壊などの土砂災害などの被害がさらに広がる恐れがあり、水源涵養や国土保全、安全管理の観点からも深刻な課題である民有林の森林政策について質問をした。


質問:未整備森林(民有林)の整備は? 

答弁:農林部次長
市では未整備森林のうち、10年以上森林の手入れがされていない私有林人工林約10,000haを早期に整備をしなければならない森林としている。令和元年度から、森林所有者の今後の森林管理についての意向を確認し、市に管理を任せたいと回答のあった森林について、森林整備(間伐)を実施。


質問:危険木の伐採(補助内容、実績)は? 

答弁:農林部次長
現在市内での危険木伐採補助は建設課所管の『恵那市道路沿いの危険木伐採事業補助金』と林政課所管の『里山防災林整備事業補助金』がある。 

道路沿いの危険木伐採事業補助金は、伐採等費用を軽減し、市内の道路で倒木による被害の発生を未然に防止するため、危険木の伐採及び除去を行う者に補助金を交付。実績は、令和4年度は5件 960千円、令和5年度は32件 5,252千円、令和6年度2月末見込みで40件 6,754千円と増加。 

里山防災林整備事業は、林道や農道、家屋、社会福祉施設、公共施設に被害を与えるおそれがある樹幹の太さが胸高直径16cm以上で、危険木の所有者若しくは被害を受ける可能性のある家屋等の所有者が補助対象者。実績は、令和5年度14件、2,356千円、令和6年度は、年度末現在見込みで19件、3,437千円と増加。


質問:民有林の公有林化(寄附の現状、森林管理など)は? 

答弁:農林部次長
恵那市市有林化促進事業は令和5年4月に制定し、令和5年度1件1筆200㎡、令和6年度7件9筆 35,736㎡。寄附を受けることが出来ない森林は、境界が明らかでないことが多い。 

地籍調査は、岩村町と山岡町が既に完了、串原74.3%、武並町63.9%と続き、全体の進捗率は48.01%。 

今後、山林の境界確定については、地籍調査も行いながら、森林環境贈与税を活用できる森林境界明確化事業も活用し、地籍調査担当課と調整・連携しながら進めていく。 

森林の持つ多面的な機能を損なわないように市の持つ所有林と併せ、森林の状況(森林の育成状況や間伐などの管理状況)に応じて間伐・伐採・植栽等の森林整備をし、森林の公益的機能の維持に努める。 


※議案の詳細は、後日恵那市議会から発行される「議会だより」やホームページなどでご確認ください。


太田あつし後援会事務所
〒509-7513 恵那市上矢作町小田子718-1-1-2
TEL/FAX 0573-48-3513
E-mail:hogase.atsushi.@gmail.com

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