今年の夏は全国的に猛暑が続いたなかでしたが、行事やイベントなどはコロナ禍前に近い規模で開催されるようになってきました。7月には市内中学生と未来を語る会の開催、8月には国道や県道の幹線道路改良促進に向けた対面での総会の開催、9月には上矢作町の夏の風物詩である「ふるさとまつり」での打ち上げ花火や上矢作小・中学校運動会などが開催され、賑わいを見せていました。
今回の市政報告は、令和5年8月24日に招集され9月29日に閉会しました令和5年第4回定例会で、専決処分1件と決算関係10件、条例改正関係6件、補正予算関係7件、その他2件、人事案件6件のすべてが承認、可決されました内容などを報告させていただきます。
令和5年 第4回 恵那市議会・定例会 8月24日~9月29日
専決処分…1件 …8月29日承認
■令和5年度 恵那市一般会計補正予算(第4号)
200万円(中野方財産区議会議員補欠選挙費)
決算関係 …10件
■令和4年度恵那市一般会計
■国民健康保険事業特別会計
■介護保険事業特別会計
■遠山財産区特別会計
■上財産区特別会計
■後期高齢者医療特別会計
■水道事業会計
■病院事業会計決算の認定
■令和4年度恵那市下水道事業会計
■国民健康保険診療所事業会計
利益の処分及び決算の認定
【決算審査特別委員会質疑】 (抜粋)
問:山村地域の活力に必要な地域運営支援員等の増員は?
答:増員予定はないが、地域の状況等をみながら必要性を判断していく。
問:ファーストマイスプーン事業の反響と今後の拡大は?
答:恵那の木を使用したスプーンを4か月健診時にプレゼントする事業で、子供が食事をするのが楽しみだと大変好評。今後の事業拡大は保護者の意向も聞きながら検討していく。
問:母子保健事業の健診や教室の未参加者への対応は?
答:健診の未受診者は訪問等で全ての状況把握。教室は任意だが電話相談や何でも相談、訪問等で対応している。
問:生ごみの堆肥化と廃食用油の再利用の状況は?
答:生ごみ堆肥化は、明智給食センターの残飯など使用し堆肥化に取り組み市内のこども園の菜園で活用。廃食用油は市で回収した油を市内業者に販売し、その業者が精製したバイオディーゼルを明知鉄道が活用した実証実験をしている。
問:えないっぱい給食に提供された食材や実績は?
答:食材は、市内産のコシヒカリやクリ、トマト、ナス、細寒天、ゆずなどで、恵那農高生が考案したスイーツも提供し、市内の小中学校で年3回実施している。
問:鳥獣害対策事業で令和4年度の捕獲実績は?
答:イノシシ511頭、ニホンジカ431頭、ニホンザル41頭、カラス73羽、アライグマ56頭、ヌートリア1頭、ハクビシン13頭、カワウ12羽。年々ニホンジカが増加中。
問:国民健康保険の被保険者減少のなか、保険料に影響がある医療費が増加傾向で、その状況と対策は?
答:被保険者一人当たりの療養給付費は増加しており、医療費の適正化は重要で特定健康診査受診率を上げ予防できる生活習慣病などの疾病を早期発見治療し、重症化しないよう特定保健指導等により医療費抑制に努める。
問:要介護認定更新で48か月の有効期限認定者は?
答:令和4年8月から48か月制を採用し、16%の方が認定
条例関係 …改正6件
恵那市常勤の特別職職員の給与に関する条例の一部改正
職員の不適切事務処理事案により、市長及び副市長の給与月額の改正(10月分を3/10減額)
恵那市職員の給与に関する条例の一部改正
新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正に伴う派遣手当の名称などの改正
恵那市景観条例の一部改正
景観計画区域内における行為の届出、勧告等の適用の対象に太陽光発電設備を加えるなどの改正
恵那市太陽光発電設備に関する条例の一部改正
事業者の太陽光発電設備設置に伴う良好な景観を損なう事業を防止する責務を課すなどの改正
恵那市火災予防条例の一部改正
省令の一部改正による蓄電池設備の安全基準値などの見直しにより改正
問:固定燃料の木炭を燃料とするものが追加された理由は?
答:飲食店で使用する炭火焼き器の安全性が確認され、必要な離隔距離を定めたことにより追加
恵那市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正
運営に関する基準の一部改正により改正
予算関係 …7件(補正予算)
令和5年度補正予算
■補正予算…9億1,008万7千円
・恵那市一般会計(第5号)
・国民健康保険事業特別会計(第1号)
・介護保険事業特別会計(第1号)
・遠山財産区特別会計(第1号)
・上財産区特別会計(第1号)
・後期高齢者医療特別会計(第1号)
・国民健康保険診療所事業会計(第1号)
『旧下原田小学校の解体工事、6月末から7月に発生した大雨による災害復旧、市民サービスを提供するICTインフラ整備、旧岩村振興事務所を先人顕彰拠点等として活用する事業や繰越金確定に伴う補正などが計上されている』
問:落雷による緊急修繕が計上されているが、落雷による市施設の被害状況は?
答: 補正予算計上が2件、それ以外にこども園の配電盤や水道施設の基盤などで5件あった。
問:消防小型動力ポンプ付積載車購入費の増減理由は?
答:該当車種のシャーシ仕様変更で車両価格および艤装金額、その他の付属品等の価格上昇があり差額を補正計上。
問:中山道広重美術館の壁画展示ケースと恵那市学校給食センターの緊急修繕理由は?
答:美術館の壁面展示ケースは油圧系との故障で開閉できなくなり、給食センターはコンテナ洗浄機、ガス給湯器、消毒保管器が故障し早急の修理が必要となった。
「一般会計補正予算案で公共施設有効活用を図るふれあいエコプラザ駐車場の一部をストリートスポーツが出来る改修工事費に対し、一部の議員から修正動議(修正案の提案)があり、会派代表として公共施設を有効的に活用するもので今後の公園整備に向けた試行であると説明し、修正案に反対、原案に賛成の立場で討論に参加させていただきました」
その他 …2件
辺地に係る公共的施設の総合整備計画の策定
飯地町の五毛座整備に関する財源(辺地債)の計画を定める
契約の締結(予定価格1億5千万円以上は議会議決が必要)
恵那文化センター舞台吊物設備改修工事 1億6,390万円
人事関係 …6件
人権擁護委員の候補者の推薦
・田口容子氏(大井町)
・宮地計雅氏(武並町)
・遠藤文子氏(笠置町)
・山田敏之氏(岩村町)
・古川正美氏(山岡町)
・塚田益巳氏(明智町)
…全て再任
任期:令和6年1月1日~令和8年12月31日(3年間)
一般質問 …(抜粋)
『今回は、持続可能な地域づくりをするため、重要なライフラインとしての役割を担っている上下水道事業について質問をさせていただきました』
水道事業について
水道事業は原則水道料金での運営(独立採算制)であるが、人口減少や節水機器の普及等による使用水量の減少もあり、料金収入も減少し、経費を料金で賄えていない状況があるなか、施設の老朽化や管路更新率も下がっている。水道施設は生活に欠かせない大変重要な施設で維持管理に向けた状況と今後の対応について質問した。
質問:水道施設と管路の状況は?
答弁 [水道環境部長]
令和4年度末で水道施設は、浄水場26箇所、配水池95箇所、受水池4箇所、ポンプ場89箇所。管路延長は952kmで、そのうち法定耐用年数40年を超えた管路延長は227km (23.85%)。老朽化が進み年間で大小合わせ300件程の緊急対応工事を行っている。更新工事を実施しなければ、10年後には40年を超える管路延長が395kmに達する。
質問:水道管の更新率は?
答弁 [水道環境部長]
毎年重要幹線や漏水が多い箇所を主に更新しており、管路更新率が伸びていない状況。
質問:収水量、有収率は?
答弁 [水道環境部長]
有収水量は使用されている水量で、給水人口から1人1日平均では327リットル使用。有収率は作っている水に対し、使っている水の割合で、令和4年度は78.38%で、令和3年度と比較して2.79ポイント減少しており、年々減少傾向となっている。主な要因は、送配水管、給水管の経年劣化に伴う漏水や末端給水での塩素濃度確保のために滞留を防ぐ対策などである。
質問:水道料金の動向は?
答弁 [水道環境部長]
給水人口の推移をみると人口と有収水量が減少しており、給水収益は減少していくと予想している。経営に必要な経費を料金で賄えていない状況である。公営企業は料金収入をもって経営を行う独立採算制を基本原則としていることから、将来にわたり安定的に必要な住民サービスの提供を維持していくため、料金回収率の向上、一般会計からの繰出金の適正化に努めなければならない。現在作成されている経営戦略では料金収入の見通しとして、「人口減少等により給水収益が悪化することが見込まれるため、令和8年度から純損失に転じると推測されることから令和8年度に10%程度の料金改定を行い、収益確保を見込んでいます。」としているが、今年度改定する経営戦略では、この点も含め検証しなければならない。有収率の向上、さらなる経常経費の削減及び施設の統合や共同化、将来的な整備計画、経営状況の把握により安定経営を意識した取り組みを常に心がけるとともに、水道料金についても検証し、安定経営に努める。
「人口減少などに伴うサービス需要の減少や施設等の老朽化に伴う更新需要の増大など、水道事業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中ではありますが、水道は本当に市民生活に必要不可欠なライフラインであり、事故等が発生した場合には生活に大きな影響を与えるため、水道事業の持続的な経営の確保のためには、着実な更新投資を進め、料金収入の確保やICTなどの先端技術の活用などを図っていって欲しいと思います」
下水道事業について
下水道事業も今後人口減少等に伴う有収水量が減少傾向になると考えられ、これに連動して使用料収入の減少が見込まれ、施設等の老朽化に伴う大量更新の到来などで施設運営の厳しさが増すため、効率的な事業運営が求められる。水道事業と共に必要な社会インフラとして大変重要な施設で、維持管理に向けた状況と今後の対応について質問した。
質問:下水道施設と管路の状況は?
答弁 [水道環境部長]
令和4年度末で下水道施設は、処理場10箇所(公共下水道1箇所、特定環境保全公共下水道5箇所、農業集落排水4箇所)、ポンプ場1箇所、マンホールポンプ224箇所。管路延長は371kmで、そのうち長寿命化対策に採択される標準耐用年数50年を超えた管路はなく、令和11年度から奥戸処理区の一部(阿木川大井橋右岸付近)で標準耐用年数を超える。
質問:有収水量、有収率は?
答弁 [水道環境部長]
年間有収水量は、各家庭等から排水される水量で、近年は人口減などにより減少傾向にある。有収率は、処理場へ入ってくる水量に対し、各家庭等から排水される水量の割合で、公共下水道の有収率が依然と低く、主な要因は施設の老朽化による不明水の流入や雨水の流入によるもので、有収率の低下は下水道経営に影響を及ぼすことから、不明水調査や修繕工事等の取組みを進め、併せて水洗化の促進と下水道区域の拡張により有収率向上を目指していく。
質問:不明水調査の実施状況は?
答弁 [水道環境部長]
令和3年度からは、奥戸処理区(大井町、長島町)、岩村処理区において流量計の設置やカメラ調査、目視調査により実施。奥戸処理区では大井町市神神社付近の侵入水が多く、岩村処理区では富田地区の侵入水があることが判明している。令和5年度は、奥戸処理区では恵那駅周辺を、岩村処理区では引き続き富田地区の調査を実施。
質問:不明水対策の今後の予定は?
答弁 [水道環境部長]
令和4年度は、マンホール蓋からの流入がある箇所の補修を実施。管路のクラックなどによる流入については、管を内面から補修する管更生工事を実施していくことが有効となるため、補修工事の財源を確保して対策を進め、有収率の向上に努める。水道事業同様、国へ要望活動を実施していく。
質問:下水道料金の動向は?
答弁 [水道環境部長]
水洗化人口の推移をみると人口減少と有収水量が減少しており、経営に必要な経費を料金で賄えていない状況である。下水道事業も使用料をもって経営を行う独立採算制が基本原則であるものの、施設数が多く、燃料や電気代の高騰など営業費用が増加しているが、人口減少による使用料収入の減により経営状況は厳しくなっている。経費削減の一例として、順次、マンホールポンプ等非常通報装置の更新に合わせて電話回線からクラウド方式に変更することにより通信料の削減を実施。今年度改定する経営戦略では、水道事業同様、さらなる経常経費の削減及び施設の統合や共同化、将来的な整備計画、経営状況の把握により安定経営を意識した取組みを常に心がけるとともに、下水道料金についても検証し、安定経営に努める。
「下水道事業も、人口減少等に伴う使用料収入の減収が懸念され、今後、処理場や管路施設などこれまで整備された施設の更新時期を迎え、水道事業同様に厳しい経営環境になると思いますが、市民生活の衛生的で安定した暮らしには欠かせないものになっていますので、汚水処理施設の統廃合や不明水対策などの着実な更新投資を推進し、また汚水処理場で発生する汚泥の再利用など、安定的・持続的な下水道事業の継続を図っていって欲しいと思います。」
※議案の詳細は、後日恵那市議会から発行される「議会だより」やホームページなどでご確認ください。
太田あつし後援会事務所
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